一歩踏み込む勇気ある判断
無職 沢田正司(愛知県常滑市 70歳)
イラクへの航空自衛隊派遣は違憲、とした名古屋高裁の判決は、まさに画期的である。
従来、憲法判断を避ける傾向にあった司法が一歩踏み込んだことは、誠に意義があり、勇気のある判決だと思う。
国民の常識に照らせば、憲法第9条を是認するか否かは別として、先般のイラク派遣は明らかに憲法に抵触すると見るのが素直な考え方だ。
派遣賛成を言うなら、まず9条を改定してからにしてもらいたい。
三権分立を認めるなら政府はこの判決を尊重して反省し、国民に詫びて頂きたい。
それなのに政府は方針に変わりはないと言っているようだ。
ただ、この判決の中で一般人に分かりにくいのは、イラク派遣は行政権の行使であり、私人が民事上の請求権を行使できないとする点である。
政府が憲法違反を犯しても、民間人が黙って見ているより他ないとなれいば、お上のすることには口出しできないと思われてしまう危険性がある。
ここを、もう少し分かりやすく説明願いたいところである。
(2008年4月19日付 名古屋版)
さて、問題です。
この投稿者は<先般のイラク派遣は明らかに憲法に抵触すると見るのが素直な考え方>と主張していますが、9条のどの部分が抵触するのでしょうか?
憲法史上もっとも有名な9条は、次のようなものです。
1項 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2項 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。
別に自衛隊は国権の発動たる戦争を行いに、イラクへ行った訳ではありませんよね?
また、武力による威嚇を行いに派遣された訳でもありませんし、武力の行使なんて間違っても行っていません。
そして、表向きは『正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求』した結果の派遣ですよ。
いったいどの辺りで違反しているのでしょうか?
皮肉でもなんでなく、本気で分からなかったりします。
ひょっとして、2項の『陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない』で引っかかっているのですかぁ?
これも、『前項の目的を達するため』の保持を禁止しているだけで、防衛の為や『秩序を基調とする国際平和を誠実に希求』する為の保持を禁止している訳ではないんですよね。
まぁ、『国際紛争を解決する手段』としては禁止されていると主張できるかもしれませんが、国際紛争を解決する為に保持しなければ良いだけで、いくらでも弁解可能なザル憲法だったりします。
しかも、自衛隊は実質的に軍であっても、あくまでも法律上は自衛隊です。
これを『陸海空軍その他の戦力』というのであれば、コスタリカの市民警備隊も軍隊認定できちゃいますよ。
以上を踏まえると、どの辺りが国民の常識だというのでしょうか?
違憲だというのであれば、まず9条を完全体にしてからにして頂きたい。
プロ市民の常識を勝手に国民の常識にしないで欲しいものです。
続いて、<三権分立を認めるなら政府はこの判決を尊重して反省し、国民に詫びて頂きたい。>ですよ。
違憲判決なんて出ていないにも関わらず、なんで政府は反省しないといけないのでしょうか?
その「現在の航空自衛隊のイラクでの活動は、日本国憲法9条1項に違反している」との判断は、裁判官が個人的に呟いた独り言であって、判決ではないはずです。
高裁の判決では、違憲性について「却下」されているのですから、もう完全に負けでしょう。
むしろ反省すべきは、違憲判決と違憲判断をごっちゃにして報道しているマスコミではありませんか。
三権分立を認めるならマスコミはこの判決を尊重して反省し、国民に詫びて頂きたいものです。
それなのにマスコミは方針に変わりはないと言っているようで、本当に成長しませんよね。
やり方が小泉元総理に対して行った靖国裁判の時と同じではないですか。
さてと、最後に投稿者の<イラク派遣は行政権の行使であり、私人が民事上の請求権を行使できないとする点>という疑問に答えることにしますね。
うんとね。
簡潔に言うと、「自衛隊が何をしようと、お前らに民事上の損害があったのか?」ということです。
今流行の失言ネタで今回の裁判をまとめたならば、「自衛隊の派遣は憲法違反かもしれない。でも、お前らに関係ねぇ!」という所でしょうか。
これを認めてしまうと、児ポ法の成立で生粋のロリコン達が「これは性的嗜好による差別であり、信条思想の弾圧だ。精神的苦痛を味わった」として、行政に対して損害賠償を請求できてしまいます。
行政の行いに文句があるなら選挙で白黒つけるか、著名活動して提出するのが民主主義ではないのでしょうか。
『個人』が勝手に損害賠償を請求して良いものではないはずです。